食道について

院長先生!医学的なことも知りたくなってきたよ,教えてください!

院長くん

やあコムギじゃないか,じゃあこれから各臓器ごとにわかりやすいように解剖・機能・疾患について調べてみよう.
今日は食道について調べてみよう.

食道とは

解剖

院長くん

食道は首→胸→お腹にかけて縦にまっすぐ走る管上の食物の通り道となります.

食道とは咽頭(のど)から胃を結ぶ管状の臓器です.

長さは成人で25-30㎝ほどです.

細かな解剖は,以下となります.

  • 頸部食道:食道入口部から胸骨切痕まで
  • 胸部食道:胸骨切痕から横隔膜まで
    • 胸部上部食道:胸骨切痕から気管分岐部まで
    • 胸部中部食道:気管分岐部から横隔膜までの食道の上1/2
    • 胸部下部食道:気管分岐部から横隔膜までの食道の下1/2
  • 腹部食道:横隔膜から胃までの食道
院長くん

食道の解剖は単純です,細かな分類は上記となります.
食道癌は主に胸部中部食道にできやすく,できた部位で治療方針が変わります.
食道入口部は喉と食道の間のことを指します.
胸骨切痕は両鎖骨の間のくぼみのことを指します.
気管分岐部とは気管が左右に分かれる場所を指します.

機能

院長くん

食道の機能は単純で,食事の通過を助ける機能があります.

機能は食事の通過を助ける機能があり,食道がポンプ様に動き食塊を胃に運びます.(蠕動)

食道は通り道なので胃や小腸と違って消化・吸収作用はありません.

組織

院長くん

前述のとおり消化・吸収作用がありませんので,胃や小腸と違い構造が違います.

小野薬品ホームページより引用

上記図の通り,粘膜,粘膜下層,筋層,外膜の4層構造となっております.

通常,胃や小腸や大腸などの腹腔内臓器は漿膜という分厚い膜が臓器の1番外側を覆っており5層構造となっておりが,胸腔内のさらに縦隔という深い場所を走っている食道には漿膜はありません.

よって食道は比較的薄い臓器となります.

院長くん

これが原因で鯛の骨などが食道を突き破り,大動脈に突き刺さるようなことがごくまれにあります.
また食道がんができたときは,大動脈や気管や心嚢などの周囲臓器に浸潤しやすい特徴があります.
怖いですね涙.

繰り返しますが単なる通り道なので,食道には頑丈さが求められます.

食道の内側の粘膜は,分厚い重要扁平上皮細胞という細胞で構成されております.

胃や小腸や大腸などの臓器は吸収作用があるため,円柱上皮細胞という消化液や粘液などを分泌する構造となっております.

院長くん

要するに食道は粘膜の種類が違うということですね.
食道がんはこれによって胃や小腸や大腸などにできる腺癌とは違い,扁平上皮癌となります.
使用する抗がん剤も違い,前述の理由があったり,リンパ転移も引き起こしやすいため大変予後の悪い癌となります.
非常に怖いため,喫煙と飲酒は皆さん控えましょう.

食道に起こる疾患

食道に起こる疾患は以下となります.

  1. 逆流性食道炎
  2. 食道カンジダ症
  3. 食道裂孔ヘルニア
  4. 食道アカラシア
  5. Mallory-Weiss症候群
  6. 特発性食道破裂
  7. 食道憩室
  8. 食道平滑筋種
  9. 食道GIST
  10. 食道がん,など
院長くん

食道は口に1番近い臓器なので,なにか異常があるときは比較的他の臓器と違い程度の強い吐き気や嘔吐や酸っぱいものが込みあがる(呑酸:どんさん)ような症状が起こります.
今後各疾患については各論的に一緒に勉強していきましょう.

まとめ

食道の解剖,機能,微細解剖である組織について学びました.

食道は食塊の通り道であるため,消化吸収作用はありません.

なので胃や小腸と構造が違っており,疾患についても特徴的な進展を引き起こします.

なるほど!食道に消化・吸収作用がないんだね!口に近いから嘔吐や呑酸などの症状がつよいことも分かった!
各論が楽しみです!次もよろしくお願いします!

院長くん

興味をもってもらってうれしいよ!
週に1-2くらいで一緒に勉強していきましょう.

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